16インチの液タブは、小さ過ぎず大き過ぎずのちょうど良いサイズなので、購入を検討する人も多いと思います。
ただ、それゆえ16インチ液タブは各社から発売されており、ひとつのメーカーにも複数機種あったりと、選択肢が多く迷ってしまうのも事実です。
そこでこの記事では、イラストレーターである筆者が、16インチ液タブを比較しおすすめを紹介したいと思います。
16インチ液タブを選ぶときの比較項目
16インチ液タブ一覧
以下は、現在各メーカーの公式ストアで購入できる16インチ液タブの一覧です。
| メーカー | 製品名 | 発売時期 | 解像度 | 筆圧レベル | 応答速度 | 色域カバー率 sRGB / Adobe RGB |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HUION | Kamvas Pro 16 V2 | 2025/10 | フルHD | 16384 | 25ms | 99% / - |
| Kamvas 16 (Gen3) | 2025/1 | 2.5K | 16384 | 14ms | 99% / 90% | |
| Kamvas Pro 16 (4K) *1 | 2021/3 | 4K | 8192 | 25ms | - | |
| Kamvas 16 (2021) | 2020/12 | フルHD | 8192 | 25ms | - | |
| XPPen | Artist 16 3rd
| 2026/4 | フルHD | 16384 | - | 99% / 98% |
| Artist Ultra 16
| 2025/10 | 4K | 16384 | <1ms | 99% / 99% | |
| Artist 15.6 Pro V2
| 2025/2 | フルHD | 16384 | - | 99% / 96% | |
| Artist Pro 16 (Gen2)
| 2023/8 | 2560×1600px | 16384 | 20ms | 99% / 97% | |
| Artist 16 セカンド
| 2022/5 | フルHD | 8192 | - | 99% / 95% | |
| GAOMON | PD1561 V2 | 2026/7 | フルHD | 16284 | 25ms | - |
| PD156 Pro *2 | 2019 | フルHD | 8192 | 25ms | - | |
| PD1561 | 2019/9 | フルHD | 8192 | 25ms | - | |
| Ugee | UE16 | 2024/7 | フルHD | 16284 | - | - |
| Xencelabs | ペンディスプレイ16 *3 | 2024/6 | 4K | 8192 | 1ms | 99% / 98% |
| Wacom | Wacom Cintiq 16 | 2025/6 | 2560×1600px | 8192 | 12ms | 100% / - |
| Wacom Cintiq Pro 17 | 2023/10 | 4K | 8192 | 8ms | - / 88% |
*価格はセールなどで変動するのでリンク先で確認してください
液タブ市場の大きな構図としては、高価格帯で性能重視のWacom、Xencelabs、中~低価格帯で性能とのバランスをとったHUION、XPPen、さらに低価格帯のGAOMON、Ugeeといった感じです。
16インチサイズで液タブを選ぶときは、価格に加えて、主に以下の項目を見ると良いでしょう。
解像度
16インチ液タブの解像度には、以下の4種類があります。
- 1920×1080px(フルHD、2K)
- 2560×1440px(2.5K、WQHD)
- 2560×1600px(WQXGA)
- 3840×2160px(4K)
筆者の見解としては、16インチに4Kはオーバースペックだと思います。
解像度によほどこだわらない限りは、4K未満の解像度で良いでしょう。
フルHDだと細かく描き込みたいときに解像度が足りなく感じるので、おすすめは2.5KかWQXGAです。
ただし、フルHDの製品も価格はその分安くなるので、価格重視の場合は選択肢に入ってきます。
描き味
描き味は、スペック表では、筆圧レベルや応答速度などを見ることになります。
ただ、近年の液タブはどれも比較的高水準にあるので、このあたりの数字比較はこだわりのある人向けかなと思います。
そして、スペック表の数字だけではわからない描き味も存在していて、そちらの方が重要です。
特にペンの滑りやすさは、メーカーごとに特徴があります。
下の図は、実機を触った筆者の主観ですが、Wacomを基準にしたときの各メーカーのペンの滑りやすさを表したものです。

他にも、ペン先と画面上のカーソルとの距離(視差)は、基本的に価格が高い製品ほど小さくなり、描きやすくなります。
描き味が自身に合っていないと、制作時のストレスになります。どんな描き味が合っているかは、できれば家電量販店などで実機に触ってみるとよいです。
発色性能
基本的に高価格の製品ほど、発色性能が良く(発色できる色の範囲が広く)なります。
趣味用途で液タブを購入する場合は、あまり気にしなくてもよいと思います。
一方で、趣味でも色にもこだわりたかったり仕事用途の場合は、色域カバー率が100%に近いものを選ぶとよいです。
補足:付属機能
製品によっては、以下のような機能が付いているものもあります。
- タッチ機能
- 画面横のサイドボタン
筆者の見解としては、ショートカットは、左手デバイスやキーボードに割り当てた方ができることも多く効率的です。
そのため、これらの機能は基本不要で、比較項目としては優先度低めで良いと思います。
以上を踏まえて、ここからは16インチのおすすめ液タブを紹介していきます!
16インチ液タブのおすすめ4選
<低価格帯の新星> Ugee UE16
まずは価格重視の方向けに、2024年7月に発売された製品を紹介します。
公式ストアのセール時には3万円を切る超低価格製品です。
これまでフルHDの低価格帯では「Kamvas 16 (2021)」が人気商品でしたが、この「UE16」は同価格帯ですべての性能が同等以上です。
「Kamvas 16 (2021)」が少し古いモデルなので、今後の低価格帯の人気商品になりそうです。
低価格ゆえに解像度はフルHDですが、とにかく安く16インチ液タブを手に入れたい方にはピッタリだと思います。
<価格と性能のバランス◎> Kamvas 16 (Gen3)
次に紹介するのは、価格と性能のバランスが抜群の製品です。
こちらの製品は以前レビューしたことがあり、基本スペックは仕事で使うにも十分なのですが、当時は個人的に描き心地は価格なりという印象でした。
しかし後日、実店舗でペーパーライクフィルムを試したところ、ペンの滑りが良くなり描き心地がかなり良くなりました。
同価格帯・同スペックの製品に「Artist Pro 16 (Gen2)」があります。
こちらはWQXGA解像度が魅力的ですが、実機を触った感触としては、ペンの滑りが結構ありました。
なので、ペーパーライクフィルム使用時の描き味から、ここでは「Kamvas 16 (Gen3)」をおすすめします。
フェルト芯にもしてさらに滑りを良くすると、よりWacom製品の描き味に近づく感触でした。
<4K解像度なら> Artist Ultra 16
16インチに4K解像度はオーバースペックだとは思いますが、4Kのものを選ぶのであれば、2025年10月発売のこちらの製品がおすすめです。
16インチ4Kでは他メーカー含め一番新しい製品で、スペックも一番上に位置しています。
実機も触りましたが、描き味もよく、XPPen製品の中でもWacomの描き味に近い方だと感じました。
このあたりのハイエンド機では、スペック表からはわからない細かい描き味や解像感など、個人の好みが最終的な決め手になると思います。
<安定の描き心地> Wacom Cintiq 16
筆者がそうですが、Wacom製品を長く使っていると、Wacomから他メーカーの描き味に乗り換えることが難しくなります。
そこで最後におすすめするのは、Wacomの16インチ液タブです。
位置付けとしてはミドル向けのモデルではありますが、仕事でも申し分のないスペックだと思います。
実機も触りましたが、描き味も安定のWacom製品のものです。
「Wacom Cintiq Pro 17」は4Kというオーバースペックに加えて価格がかなり高いことと、その予算があるなら「Wacom Cintiq Pro 22」の方をおすすめしたいので、16インチ帯ではこちらの製品をおすすめします。
Wacom製品は、単純なスペックの高さや描き味だけでなく、動作の安定性や耐久性の観点でも信頼できます。