イラスト制作者向けに光と色の物理を解説した書籍はいくつかありますが、読んでみても内容が十分に理解できなかったり、自身の制作に落とし込むことができなかったりしたことはないでしょうか?
この記事はそんな色と光の物理についてわかりやすい解説を目指し、すべて読めば基礎的な原理・理論は網羅できるようなガイドコンテンツになっています。
絵に物理知識は必要?
絵に絶対のルールはありませんから、もちろん実際の現象を忠実に描写する必要はありません。
ですが実際の現象とかけ離れた表現は見る人にとって見づらく、テーマが伝わりにくい絵になってしまうのも事実です。
そのため、テーマが伝わりやすい絵を描くためには物理知識は必要なものだと筆者は考えています。
ただ私たちは科学者ではないので厳密に理解する必要はなく、あくまで絵を描くための考え方のひとつとして捉えるくらいで良いとも思っています。
私は学生時代から光学の分野に携わっていたので理解していたのですが、イラストレーターとして活躍されている方の多くは原理もある程度押さえている印象があります。
色
色の知覚
まずは私たちヒトやカメラがどのように色を知覚しているのか、身の回りにあるものの色はどうやって決まっているのかを学びましょう。
光の散乱
色と光には密接な関係があることを学びました。
光には反射や屈折といった性質がありますが、中でも散乱という性質は私たちの身の回りにある物の色に大きな影響を与えています。
そこで次は光の散乱について見てみましょう。
明暗
明るさの知覚
色の次は、私たちヒトやカメラがどのように明るさを知覚しているのかを学びましょう。
陰影
光があることによって物体には陰影ができますが、陰影は現象ごとに切り分けて考えることが可能です。
ここではその陰影の種類を発生原理とともに見てみましょう。
光学
画角とピント
私たちは普段自身の眼で幅広い景色を捉えていますが、基本的に絵はその景色の一部を切り出したと仮定して描くことになります。
そこで重要になる知識が画角とピントです。ここではそれらについて学びましょう。
画角とパース
キャンバスのサイズを決めてひとつ物体を描いた時点で、実はそのキャンバスの画角は決まってしまいます。
そこで次は画角とパース(透視図法)の関係性について見ていきましょう。
特に背景・風景を描く際には、個人的に最も押さえてほしいポイントになります。
応用編
ここまでは最低限押さえてほしい基礎の部分を解説してきました。
ここからは押さえるべき優先度としては高くないですが、知っておくと使える知識を紹介します。
収差
解説作成中
魚眼
解説作成中
レンズフレア
強い光源があるシーンで映像表現によく使われる光学現象にレンズフレアというものがあります。
ヒトの眼では基本的にレンズフレアは見られませんが、視力矯正で眼内レンズ(ICL)を入れている場合などはヒトの眼でも発生します。
心理色、錯視
解説作成中
絵画的手がかり
解説作成中
教材
この記事で解説した内容は色と光の物理についての主に基礎の部分であり、ここでは触れていない細かい知識も多く存在します。
最後に、イラスト制作者向けに色と光の物理について解説した代表的な3冊の書籍を紹介するので、より詳しく学びたいという方は参考にしていただければと思います。
色と光マスターガイド
光と色の物理と技法について解説した<理論編>が約200ページ、理論編の内容を踏まえたイラストメイキングの<実践編>が約130ページの大ボリューム本です。
3冊の中で一番新しい書籍で他2冊の内容も大部分網羅しているので、どれか1冊だけを買うならこの本をおすすめします。
画づくりのための光の授業
3冊の中では物理的な説明が一番きちんとされている書籍です。
3DCGと写真を例に、主に環境光を含めた物体の陰影と材質ごとの見え方の違いについて詳しく解説されています。また実際の映像作品を例に、構図とライティングについての解説も30ページほど収録されています。
カラー&ライト
絵の表現技法を物理現象に基づいてまとめた書籍の先駆者と言える書籍で、3冊の中では一番古い本です。
他2冊ほどの細かい原理の説明はありませんが、すべての説明において絵の実例がついています。
個人的には今から買うなら他2冊かなと思いますが、合わせて読めばより理解が深まるかと思います。