はじめまして、フリーイラストレーターのあんよと言います!
私は元々イラストとは全く関係のない業界で会社員をしていましたが、独学でイラストを学び今ではフリーランスでイラストレーターをしています。
この記事では、そんな私の経験を踏まえて副業あるいはフリーランスのイラストレーターになるための手順を一から解説します。
はじめに
未経験、初心者、独学でも大丈夫?
イラストに関係する業界で働いたことがなくても、美大や専門学校を出ていなくても、小さい頃から絵を描いていなくても、イラストで稼ぐことはできます。
実際私は大学生の頃に趣味として独学で絵を描き始めましたが、今では生活費をまかなえる程度にはイラストの仕事をいただけています。
最近は全く別の業界からイラストレーターになり活躍されている方も多いです。
ひとつ必要な素質があるとすれば、絵を描くことが楽しいと思える気持ちが少しでもあることだと思います...!
今はイラストで稼ぎやすい時代
イラストレーターと聞くと、食べていけるのは一握りの人たちだけと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は私もイラストレーターになる前はそう思っていましたし一昔前はそうだったかもしれませんが、今はそうではありません。
最近は様々な業界でイラストの需要が増えてきていることと、SNSの普及により個人が自身のイラストを外部にアピールしやすくなったことで、イラストの仕事は以前よりかなりもらいやすい環境になっています。
またイラスト制作に必要な機材の価格がどんどん下がってきているので、仕事で使えるレベルの機材も今では一式10~20万円の価格帯から用意できます。
イラストレーターを始めるには今は良い時代!
イラストレーターは稼げる仕事?
イラストの単価相場はそこまで高くないので、売れっ子イラストレーターにならない限りは決して割の良い業界ではありません。
なので、たくさん稼いでお金持ちになりたい!という方にはイラストレーターはオススメできません。
その一方で完全リモートでこなせる仕事なので、時間や場所に縛られずわずかでも収入を得たいという方にはオススメです!
私がフリーランスになってからの実際の収入は以下の記事でまとめています。
年収300~400万円程度であれば特別売れっ子にならなくても稼げる道はあります。
稼げるようになるまでにどのくらいかかる?
もちろん個人差はありますが、数日や数週間単位では絵は上達しません。
どれだけ頑張っても絵でわずかでもお金がもらえるレベルになるまでには少なくとも1~2年はかかると思ってください。
そして月に20~30万円以上稼ぐとなると、そこから更に数年はかかると思っておいた方が良いです。
詳細はあとで触れますがイラストでお金を得る手段は様々で、どの手段を選ぶかによってもお金を得られる難度は変わってきます。例えば企業から仕事をもらうのは難度が高く、その手段でお金を得るには1~2年では厳しいかもしれません。
絵は時間をかけて取り組めば確実に上手くなっていくので続けることが何より大事です。私もまだまだ未熟なので一緒に上達していきましょう!
ちなみに私がイラストを描き始めてからフリーランスになるまでの練習量は以下の記事でまとめています。
【STEP1】目標を決めよう
ここからはいよいよイラストレーターを始めるための手順を具体的に解説していきます。
まずイラストに限らず何かを達成したいときには、最初に目標をはっきりさせることが大切です。
この【STEP1】では、あなたがどんなイラストでどうやってお金を得たいのかを一緒に考えていきましょう!
どんなイラストレーターになりたいかによってやるべきことは変わります。
最初にきちんと目標を設定しておきましょう!
イラストでお金を得る手段
イラストレーターというとクライアントから依頼を受けてイラストを描きその報酬としてお金を得るイメージが強いかもしれませんが、実はそれ以外にもイラストでお金を得る手段はたくさんあります。
まずはその手段を知り、イラストでどうやってお金を得たいのかを考えてみましょう。
趣味でイラストを描くだけであればここまで考える必要はないですが、イラストでお金を得たい気持ちがあるのなら初めに考えておきましょう。
イラストでお金を得る手段は、大きく以下の2つに分けられます。
- クライアントワーク :依頼された仕事をこなして報酬を得る
- オリジナルワーク :自身でコンテンツを制作して収益に繋げる
それぞれの代表例には以下のようなものがあります。
クライアントワークの代表例
- ゲーム・アプリのキャラクター、背景、小物などのイラスト制作
- 書籍の表紙イラスト、挿絵の制作
- MV、配信用のイラスト制作
- 商品パッケージ、グッズ、イベント、広告用のイラスト制作
- イラストの講師、技法書の執筆
オリジナルワークの代表例
- 同人誌、グッズ、素材データなどの販売
- YouTube、ブログ、SNSの広告収入
- pixivFANBOX、Fantiaなどの支援サービスによる収益
さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
クライアントワークは一定以上の技術がないともらえませんが、まとまった額の利益を得ることができます。一方、オリジナルワークは始めるのは簡単ですが、利益を出すためには自身にファンをつける必要があります。
イラストでお金を得る手段には様々なものがあることを理解しておきましょう!
ジャンル、画風と稼ぎやすさ
次にどんなイラストでお金を得たいのかを考えていきましょう。
イラストでお金を得たいのであれば、どういったジャンル、画風で攻めるかは稼ぎやすさを左右するためとても重要です。
まずジャンルについて、現在世の中にあるイラストの仕事はキャラクターイラスト制作あるいは背景イラスト制作のどちらかであることがほとんどです。
キャラクターイラスト制作の特徴
- 仕事の数は多いがそれ以上に描き手の数が多いため、仕事を得るには高い技術や他との差別化が要求される
- キャラクターだけでなくそれに合わせた簡単な背景まで描くこともある
- 評価されればファンはつきやすい
背景イラスト制作の特徴
- 仕事の数に対して描き手の数が少ないため、一定以上の技術があれば仕事を得やすい
- 背景だけでなくそれに合わせた簡単なキャラクターまで描くこともある
- キャラクターイラストに比べるとファンはつきにくい
これらに当てはまらないモンスター、動植物、食べ物といったジャンルの仕事もありますが、現在の市場では仕事の数は多くありません。
次に画風について、画風は個性的か汎用的かによって稼ぎやすさが変わります。
個性的な画風の特徴
- 用途が限定的なのでクライアントワークの分野は限定的になる
- クライアントワークでも比較的自由に描けることが多い
- オリジナルワークメインでの活動になることが多い
汎用的な画風の特徴
- 用途が広く様々な分野のクライアントワークを受けることができる
- クライアントワークでは絵柄合わせや細かい指定のもと描くことが多い
- 継続的な案件がもらいやすい
- ファンが付きづらくオリジナルワークで利益を得ることが難しい
この個性的か汎用的かについては、必ずどちらかに分類されるというよりは両者のバランスをどうとるかと捉えてください。
私がイラストで生計を立てられているのは、汎用的な絵柄で背景イラストメインに制作しているからといっても過言ではありません。
ただし何より続けられることが大事なので、少しでも描いていて楽しいと思えるジャンル、画風を選びましょう!
目標の絵柄を決めよう
ここまでの内容を踏まえて、あなたがどんなイラストでどうやってお金を得たいのかを決めていきましょう。
まずどんなイラストでについては、目標とする絵柄のイラストレーターさんをひとり見つけましょう。特定のイラストレーターさんではなくひとつの映像作品などを目標の絵柄にしてもOKです。
目標の絵柄を具体的に決めておくことはイラストの上達においてとても重要です!具体的な練習方法は【STEP3】で解説します。
あなたがもう絵を描き始めている方であればすでに見つけているかもしれませんが、まだの方はSNSを使って探してみましょう。イラストを見つけるためのSNSには以下のようなものがあります。
pixiv(ピクシブ)とXはイラストの練習時にも使用するので、アカウントを持っていない方は作っておくようにしましょう!
どうやってお金を得たいのかについては、「クライアントワークの中のこの仕事」「オリジナルワークの中のこの手段」というところまであなたの中でひとつ決めて第一目標としましょう。
とにかく早くイラストでお金を得てみたいという方は始めやすい手段を選んでも良いですし、難度に関係なく素直にやりたいものを選んでも良いです。目標とするイラストレーターさんと同じ手段にしても良いですし、それとは別の手段を選んでも良いです。
ここまで読んで、「○○さんの絵柄の方向性で△△の仕事・手段でお金を得る」という目標を立てられたら【STEP1】クリアです!
【STEP2】道具を揃えよう
それでは次にイラスト制作に必要となる道具を揃えていきましょう!
イラスト制作に必要な道具は?
デジタルイラストは以下の①~③いずれかの機材とイラスト制作ソフトがあれば制作できます。
イラスト制作に必要な機材
- スマートフォンまたはタブレット + タッチペンまたはペンタブレット
- ノートPC + ペンタブレット
- デスクトップPC + モニター + ペンタブレット
①では基本的には簡単なイラストしか描けないので、仕事になるようなイラストを描きたい場合には②か③の機材を揃えるようにしましょう!
スマートフォンやタブレットはほとんどの人がすでに持っていると思うので、①はデジタルイラスト制作がどのようなものか一度触れてみたいという場合にお試しの手段として活用すると良いでしょう。
なので以下では、②③についてイラストの仕事で使える機材の選び方を紹介していきます。
作業効率が一番良いのは③ですが、場所をとるので予算や作業スペースと相談しながら②とどちらにするか検討してみましょう。
ペンタブレットの選び方
デジタルイラスト制作に欠かせない機材のひとつがペンタブレットです。
iPadやSurfaceなどのタブレットとは別物なので購入時には注意してください。またペンタブレット単体では動かず別途PCが必要となります。
まずペンタブレットには板ペンタブレットと液晶ペンタブレットの2種類があります(販売サイトではペンタブレットと液晶タブレットと表記されることが多いです)が、液晶ペンタブレットの方が画面に直接描く形式で直感的なので作業がしやすいです。
以前は液晶ペンタブレットが高価だったため最初は板ペンタブレットを買う場合も多かったのですが、現在は液晶ペンタブレットの価格がかなり下がったので特別な理由がない限りは液晶ペンタブレットをおすすめします。
液晶ペンタブレットにはサイズがありますが、作業のしやすさの観点から個人的には16~24インチのものがおすすめです。
シンプルなタッチの画風を目標とする場合には16インチあれば十分で、私のように細かいタッチの画風の場合には20インチ以上あると作業がしやすいです。
ペンタブレットの性能は基本的には国内のWacom(ワコム)製が一番良いですが、最近では海外製のものでも安価で高性能なものが出てきています。
より詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
イラスト制作ソフトの選び方
現在イラスト制作ソフトは様々なものが世に出ていますが、イラストでお金を得たいのであればCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント、通称クリスタ)がおすすめです。
CLIP STUDIO PAINTにはPRO版とEX版がありますが、EX版は主に漫画・アニメーション制作に関する機能を拡張したものなのでPRO版を選べば十分です。あとからPRO⇒EXにアップグレードも可能です。
製品リンク | CLIP STUDIO PAINT PRO |
買い切り版の価格 | ¥5,900 |
サブスク版の価格 ※PC1台での利用 | 月額¥480 または 年額¥3,000(実質月額¥250) |
対応OS | 買い切り版:Windows / macOS サブスク版:Windows / macOS / iPad / iPhone / Galaxy / Android / Chromebook |
その他 | 買い切り版は今後機能追加のアップデートなし(品質改善のアップデートはあり) |
一括払いの買い切り版と月額利用プランのサブスク版がありますが、この記事ではPCで最低でも数年は利用する前提なので買い切り版をおすすめします。
買い切り版は今後機能の追加アップデートがないのですが、購入時の機能で十分イラストの仕事はできるので問題ありません。あとから機能追加のアップデートプランに加入することも可能です。
以前はプロ用と言えばフォトショップという時代もありましたが、機能の向上により今ではクリップスタジオペイントのみでも問題なく仕事がこなせるようになりました。私は仕事はすべてクリップスタジオペイントのみで行っています。
またユーザーが多いので操作でわからないことは調べればすぐに出てくる点も強みです。
PCの選び方
PC選びの基準は液晶ペンタブレットとイラスト制作ソフトが快適に動くスペックになります。
ここではイラスト制作ソフトはCLIP STUDIO PAINTを使う前提で話を進めます。
CLIP STUDIO PAINTの動作環境自体は現在市場に流通しているほとんどのPCが満たしています。
しかしこれはあくまでソフトが動作する最低ラインなので、快適に作業するためにはこれよりも高いスペックのものが必要になります。
PCの性能判断は初心者には難しいので、基本的にはBTOパソコンの販売サイトでクリエイター向けPCで探すと良いでしょう。
詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
「 PC + ペンタブレット + イラスト制作ソフト 」を用意できたら【STEP2】クリアです!
【STEP3】目標の絵柄を分析しよう
ここからはいよいよ実践編に入っていきます!
【STEP1】で決めた目標の絵柄の分析を通してイラスト制作の基礎を学びましょう!
イラストの基本構成要素を知ろう
目標の絵柄を分析するにあたり、まずはイラストの基本構成要素を理解しましょう!
デジタルイラストはレイヤーという層を重ねることで作っていくのですが、基本的には以下の6つの要素によって構成されます。
- 線画
- ベース色
- 暗部色
- 明部色
- グラデーション
- ハイライト・エッジライト
上はキャラクターの髪の部分について基本構成要素を順番に重ねていったものです(クリックで拡大)。基本的には肌や服などすべてのパーツがこのような構成要素から成っています。
このイラストのレイヤー未統合データは以下から無料ダウンロードできるので、ぜひデータを自身で触ってみて感覚を掴んでもらえればと思います。
またここではキャラクターイラストを例に挙げていますが背景においても同様です。
画風によってはいずれかの要素がなかったり複数の要素を1枚のレイヤーに描き込むこともありますが、基本的にはこれらの要素の重なりによってイラストが出来ていることをまずは念頭に置きましょう!
模写してみよう
イラストの練習法と言うとデッサンやクロッキーを思い浮かべるかもしれませんが、私はそのどちらもしたことがなく模写のみで練習してきました。
模写は目標の絵柄に近づくのには最適の手段なので、この記事では筆者流の模写による練習法を解説します。
トップ層を目指すのであればデッサンやクロッキーも必要になるのですが、模写のみの練習でも十分仕事をもらえるレベルにはなれます!
それでは実際にあなたが目標に設定したイラストを模写してみましょう。
描く順番としては、どの画風においても基本的に上で説明した構成要素の①から⑥の順で描くことになります。キャンバスサイズは最低でも長辺が1920ピクセル以上で描くようにしましょう。
模写を通してイラスト制作ソフトの基本的な使い方も覚えるようにしましょう!
CLIP STUDIO PAINTの私のショートカットキー設定はこちらの記事で紹介しています。
模写をする際には以下の4点に注意して取り組みましょう。
1. 比率と空間を意識する
模写を通して学ぶべきことは大きく分けて「形のとり方」と「塗り方」の2つです。
まず形の取り方を学ぶためのポイントは比率と空間を意識することです。
キャラクターや背景の物などの形は、まず引きで見た大きな形を捉えてから次にパーツごとの小さな形をとるようにしましょう。
また、形をとるときには空いている空間の形とパーツごとの比率を意識するのがコツです。
この作業を繰り返していくことで、綺麗な線やシルエットのとり方の感覚が養われていきます。
キャラクターにおいては例えば、目、鼻、口などの顔のパーツが少しずれるだけでも顔の印象がお手本からかなり変わることが実感できると思います。
2. 基本構成要素を意識する
次に塗り方を学ぶためのポイントは、上で説明したイラストの基本構成要素を意識することです。
模写をする際、色は見た目の感覚で選ぶのではなくお手本からスポイトツールで拾うようにしてほしいのですが、色の拾い方にもコツがあります。
まずはパーツごとに、ベース色、暗部色、明部色がどこかをよく観察しスポイトで色を拾って描いてみましょう。画風によってはベース色と暗部色のみで構成されていたり、暗部色や明部色が複数の色で構成されていることもあります。
その後ベース色、暗部色、明部色それぞれにおいてグラデーションがかかっていないか、お手本をスポイトして調べ模写に反映させます。グラデーションはパッと見ではわずかな変化なこともあるのでまずは細かくスポイトしてみると良いでしょう。
そして最後にハイライト・エッジライトの色をスポイトして描き加えます。
グラデーションやハイライト・エッジライトは画風によってはないこともあります。
色を拾う際には、光源に対してどういう方向に構成要素が描かれているかも観察できると上達の近道になります!
3. メイキングを参考にする
イラストを描いている人の中には画像や動画でイラストのメイキングを公開している方がいますが、メイキングはその人の作業手順を把握できる一番の教科書になります。
なので最初にメイキングを見ておくと作業手順がグッとイメージしやすくなります。その人のメイキングが見つからない場合は、近い絵柄の方のメイキングを探してみましょう。
メイキングは以下の3点を意識しながら見るようにしましょう。
① どのような順番で基本構成要素を描いているか
最終的には自分が描きやすい順番で描けば良いのですが、最初は目標のイラストレーターさんと同じ手順で描くようにしましょう。
例えば基本構成要素ごとにレイヤーを分けずに1枚のレイヤーにすべて描き込んでいくような画風においては線画は最初ではなく後の工程で描くこともあります。
② どのような方法で暗部色、明部色、グラデーションを置いているか
通常レイヤーで色を直接置いているのか、乗算やオーバーレイなどの合成レイヤーを使って置いているのか把握できると絵柄を合わせやすくなります。
画風によっては明部色やグラデーションがない場合もあります。
③ どのような濃度、ぼけ味、テクスチャ感のブラシを使っているか
使われているブラシがそのまま手に入れば一番良いですがブラシは公開されていないことも多いので、濃度、硬さ、形状をよく観察して似たようなブラシを入手または自分でカスタマイズできると良いです。
メイキング以外にもレイヤーが分かれた状態の元データが配布されている場合もあり、そういったデータも参考になります。
また私もこちらの記事などでメイキングや元データを公開しています。
4. 1枚に時間をかけて取り組む
よほどシンプルな画風を目標にしていない限り、1枚のイラストを模写するのに最低でも5~6時間はかけてみてください。
省略や筆跡を残すような大きなタッチはかなりの上級テクニックなので、最初は筆跡が残らないように隅から隅まで丁寧に仕上げることを意識して取り組んでみましょう。
1枚のイラストに丁寧に取り組むことは上達のカギのひとつです!
私の場合、趣味仕事問わず1枚のイラストを制作するのに12~20時間かかります。
再現できなかった部分を勉強しよう
1枚模写をしてみたら、2枚目は形のとり方と塗り方において再現できなかったと感じる部分に力を入れて取り組みましょう。
枚数を重ねることで感覚を掴んで再現できるようになることもありますが、その描き方を勉強しないと再現できないことも多いです。
形のとり方と塗り方については〇〇の描き方、〇〇の塗り方で調べれば教材が出てくるので、枚数を重ねても再現できない部分は教材で勉強するようにしましょう。
また何から取り組むかについては以下の記事を参考にしてください。
教材は書籍、オンライン講座、ブログ記事、YouTube動画など様々な媒体があるので、まずは自分が取り組みやすい媒体で調べて勉強してみましょう!
目標の絵柄のイラストを5~10枚模写して制作手順をある程度掴んだら【STEP4】に進みましょう!
【STEP4】自分の作品を描いてみよう
次はいよいよ自分の作品を描いてみましょう!
分析した描き方で自由に描いてみよう
【STEP3】で学んだ描き方で、今度は自分の作品を自由に描いてみましょう!
学んだ制作手順やブラシに加えて描く際には以下の3点も意識しましょう。
1. 基本構成要素の配色は数値で決める
基本構成要素の色は模写のときにお手本をスポイトした得たHSV(色相・彩度・明度)の数値を目安に決めるようにしましょう。特に暗部色と明部色がベース色に対してどういう変化をしているのかを分析しておくと絵柄を再現しやすくなります。
色の選び方に関しては以下の動画も参考にしてください。
2. 光源の向きを考えながら基本構成要素を置く
イラストを描くときには必ず主光源をひとつ決めましょう。光源の向きを意識して、光が強く当たる部分に明部色、陰になる部分に暗部色を置くようにしましょう。
3. 1枚に時間をかけて取り組む
模写と同様、1枚描くのに時間をかけて隅々まで丁寧に取り組みましょう。お手本がない分模写よりも時間をかけて、最低でも模写のときから+3時間は多く時間をかけてみましょう。
いきなり自分の作品を描きましょうと言われても、模写のようにお手本もなく白紙の状態から描くのはハードルが高いと感じる人も多いと思います。
そんな人におすすめなのが、3Dモデルや写真を下地にして描く方法です。
3Dモデルに関しては、CLIP STUDIO ASSETSで様々な3Dモデルが入手できます。
3Dモデルには無料と有料のものがありますが、無料モデルだけでもかなりの数がそろっています。様々なポーズのキャラクター3Dモデルがあるので特にキャラクターを描くときに重宝します。
3Dモデルを使ったイラスト制作はこちらの動画のようなイメージになります。
写真に関しては、自身で撮影したもの、フリー素材、販売サイトで購入したもののいずれかを使うようにしましょう。特にフリー素材や購入したものは出典が明確であることを確認し利用規約に沿った使い方をするようにしましょう。
写真を活用したイラスト制作に関しては当ブログ記事やYouTubeチャンネルで解説しています。
できなかった部分を勉強しよう
自分の作品を描いてみると、模写のときとはまた違う点に課題を感じたはずです。
おそらくここでは構図やライティング、人体のポージング、パースといった部分に課題を感じたのではないでしょうか。これらはイラスト制作における理論の部分です。
ここからは、自分の作品制作を通して理論を勉強し、模写を通して目標の絵柄の手法を勉強するの繰り返しです。
模写でも自分の作品制作でも、1枚描いたらその1枚でできなかった点を次の課題にして解決できるまで取り組むようにしましょう!地道ですが上達するにはこうして1つずつ出来ることを増やしていくことがとても大切です。
理論や教材に関しては以下の記事でまとめているので活用してください。
枚数をこなしていくうちにイラストを見る目が肥えたり理解が深まってくるので、過去に上手く描けたと思ったイラストや理解できたと思った参考書も数か月経ったらもう一度見直してみましょう!
あなた自身の絵柄を見つけよう
オリジナルワークでお金を得たかったり、作家性が求められる仕事をしたいのであれば、いずれはあなた自身の絵柄を確立する必要があります。
ある程度の技術をもった人であっても、他人の絵柄を完璧に再現するのは難しくそこには必ず差異が生じます。その差は技術不足によって生じている場合もありますが、描き手の個性である場合もあります。
なので、目標の絵柄との違いにあなたが納得できないのであれば改善していくべきですが、仕上がりに納得できるのであれば個性として育てていくのも良いでしょう。
ある程度上達したら目標の絵柄を2~3個に増やして他の絵柄も分析してみるとあなただけの絵柄を見つける足がかりになるでしょう。
自分の作品が5~10枚描けたら【STEP5】に進みましょう!
【STEP5】作品を公開してみよう
【STEP4】で描いたイラストを公開してみましょう!
SNSに作品を投稿してみよう
イラストを人の目に触れる場所に公開するのは、その評価を次の制作に活かしたり、イラスト制作を続けるモチベーションを維持するのに役立ちます。
現在はSNSの普及によって簡単にイラストを発表できるようになったのでSNSをぜひ活用しましょう!
イラストを投稿するのにおすすめのSNSは以下の2つです。
他にも色々なSNSがありますが、主にユーザー数の多さと仕事への繋がりやすさの観点から個人的にはこの2つを抑えておけば問題ないと思います。
SNSでいいねやフォロワー数を増やすにはイラストの技術だけでなく拡散されるための工夫や運も必要になるので、お金が得られるレベルのイラストが描ける人でもいいねやフォロワー数が少ないことはしばしばあります。
ただ、お金が得られるレベルのイラストであればpixivやXで少なくとも50~100いいねはもらえると思うので、まずは50~100いいねを目標に【STEP3~4】を繰り返して練習していきましょう!
他のユーザーとも交流してみよう
絵描き仲間がいると、イラストに関する情報を交換できたり制作を続けるモチベーションになったりします。
もちろん無理に仲間を作る必要はありませんが、イラスト制作にプラスに働くことも多いので仲間探しでもSNSを上手く活用できると良いでしょう。
ただし、自身のイラストに対して技術面で客観的な意見が欲しい場合や自分だけでは練習に行き詰まってしまった場合には、添削サービスを利用して素人ではなくプロにみてもらうようにしましょう。
SNSで50~100いいね以上もらえるようになったら【STEP6】に進みましょう!
【STEP6】イラストでお金を得てみよう
ここまでで磨いたイラストの技術を使っていよいよお金を得ることに挑戦してみましょう!
ここではイラストでお金を得る方法として以下の4つを紹介します。
方法 | 分類 | 難度 |
---|---|---|
クラウドソーシング・マッチングサイトへの登録 | クライアントワーク | 低 |
グッズ・素材販売サービスへの登録 | オリジナルワーク | 低 |
イラスト制作会社への登録 | クライアントワーク | 中 |
SNSの活用 | クライアント/オリジナルワーク | 中~高 |
まずは低難度のものから始めて、【STEP1】で決めた目標の手段を目指していきましょう!
クラウドソーシング・マッチングサイトへの登録
クライアントワークをもらう最も簡単な手段のひとつが、クラスドソーシングやマッチングサイトと呼ばれるサービスを使ったやり方です。
基本的にはあなたのプロフィールを見たクライアントから依頼が来るか、描き手を募集している案件に立候補することで仕事をもらいます。最初からいきなり依頼が来ることは少ないので、まずは特に個人の募集案件に立候補して実績を増やしていきましょう。
サービスには色々なものがありますが、中でもイラスト制作の募集案件が多く登録におすすめなのは以下の3つです。
併用するかサイトを見て気に入ったものにまずは登録してみましょう!
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ココナラ | 知名度が高く利用者が多いです。ただし他2つのサービスよりも手数料が高いです。 |
SKIMA | イラストに特化したサービスで募集案件は個人用途のものがほとんどです。 |
クラウドワークス | 業界最大手で他2つのサービスに比べ企業案件が多いです。 |
プロフィールはクライアントが依頼するかを判断する重要な要素なので、イラストの登録だけでなくすべての記載項目をきちんと埋めるようにしましょう!
サービス内で実績数が多い方のプロフィールページを参考にするのも良いでしょう。
グッズ・素材販売サービスへの登録
オリジナルワークで初心者から始められるのが、グッズや素材などの販売サービスに登録するやり方です。
サービスには色々なものがありますが、最も有名なサービスのひとつでおすすめなのがBOOTHです。
BOOTH(ブース)はpixivと連携したサービスで、pixiv FACTORYで制作したグッズをそのまま販売することができます。
受注生産性でグッズの製造費は売上から引かれることになるので、グッズをデザインして出品するまでにお金は一切かかりません。またBOOTHの良いところは素材などのデータも販売できる点です。
慣れてきたらこういったサービス上だけでなく、コミックマーケットやコミティア、デザフェスなどのイベントでイラスト集やグッズを出してみるのも良いでしょう!
イラスト制作会社への登録
クライアントワークの中でも企業案件をもらう手段のひとつが、イラスト制作会社に登録するやり方です。
登録時には審査が必要な会社もあったり、技術がないと登録しても案件が紹介されなかったりするので、中級者以上の方向けです。
基本的には実績公開不可でテイスト合わせが必要な案件が多いですが、一度実績を残せば継続して仕事がもらえることも多いです。
また、やり取りはアートディレクション含め制作会社を通すことになるので企業とのやり取りに不安を感じる方にもおすすめです。
ここでは私が登録しているイラスト制作会社を以下に紹介します。
SNSの活用
オリジナルワークメインで活動する場合や、上記以外のクライアントワークをしたい場合にはSNSの活用がほぼ必須になります。
オリジナルワークではSNSのフォロワー数が多いほど利益を上げやすく、クライアントワークではフォロワー数が多ければSNSが強力な営業ツールになります。
数千~数万人単位のフォロワーを獲得するにはイラストの技術だけでなく拡散される工夫や運も必要なので難度は高いのですが、SNSの運用に力を入れるのもひとつの方法です。
人気が出ればSkebなどで依頼をもらえるようになったり支援サービスで支援者を獲得したりできるでしょう。
フリーランスになるには
開業の準備から確定申告までの具体的な手順は以下の記事で解説しているので参考にしてください。
副業とフリーランスどっちが良い?
副業とフリーランスどちらにもそれぞれメリットとデメリットがあります。
個人的には、収入の安定性をとるなら副業、働き方の自由さをとるならフリーランスが良いと思います。
フリーランスの収入はとても不安定で、月々の収入にばらつきがある上に長期間に渡って収入が確約されているわけでもありません。また会社員と違い福利厚生もありません。
この大きなデメリットを許容できるのであればフリーランスを選んでも良いでしょう。
私がフリーランスを選んだ理由やフリーランスなって良かったこと・悪かったことは以下の記事で書いています。
学生からいきなりフリーランスになるのはアリ?
すでに生計を立てられるだけの収入があるのなら、卒業後就職せずフリーランスになるのもひとつの選択肢だと思います。
ただほとんどの人はそういった状況ではないと思うので、まずは会社への就職をおすすめします。
また収入面だけでなく会社員を経験しないと学べないこともあり、特に物作りに関連する仕事に携わっておくとフリーランスになってからも活かせることが多いと思います。
私は4年間精密機器メーカーで開発職として働いていましたが、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方、スケジュールの管理方法など多くを学べました。
会社員時代に身に付けたスキルのおかげで現在フリーランスを続けられています...!
月数十万円稼ぐために必要なこと
フリーランスで生計を立てられるだけのお金を稼ぐのに必要なことはイラストの技術だけではありません。
私はここ1~2年は平均して月収30万円程度は稼げているのですが、そのために必要だと思うことをここでは紹介します。
仕事のコミュニケーションが問題なくとれる
仕事をもらうには、イラストの技術以前にクライアントと仕事相手として問題なくやり取りできるかがとても重要です。
返信の速さやスケジュールの順守はもちろん、制作前のヒアリングや適切な修正対応など気を付けるべき点は多くあります。以下の記事でイラストの仕事の流れと注意点をまとめました。
仕事相手として信頼できる
クライアントは公開されているイラストで描き手の技術は判断できますが、その描き手が仕事相手として信頼できるかまではなかなか判断できません。
信頼できるかどうかはクライアントとしては事前に把握したいところだと思うので、少しでも判断材料になるよう私は以下のことを行っています。
- ホームページに経歴とイラストの仕事の実績を載せる
- YouTubeやブログで動画や記事を投稿し少しでも人柄がわかるようにする
- SNSなどで信頼を損なうような発言をしない
常に技術の向上に努める
イラストの仕事がもらえるようになると個人制作や練習に割く時間が減っていきます。
一方で今は教材は十分に整っており高い技術をもった人がどんどん出てくる環境なので、技術の向上は継続して仕事をもらったり受けられる仕事の幅を広げるのには欠かせないことです。
私は現在も次取り組むべき課題は常に設定していたり、技法書を購入して勉強したりしています。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました!
この記事では筆者流のイラストの勉強法や仕事への繋げ方を紹介させていただきました。
まずはこのやり方をすべてなぞってもらっても良いですが、自分で考えて自身に合ったやり方を見つけられるのが一番なので、みなさんには参考にしつつ色々と試行錯誤してほしいと思っています。
私もできるだけイラストレーターを長く続けたいと思っているので、いつの日か仕事の場でみなさんとご一緒できるのを楽しみにしています!