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【イラスト勉強, SNSなど】目標設定のアプローチに関する話

2021年3月9日

SNSを見ていたりイラスト添削講師の仕事をしていると、イラストの勉強方法やSNSでの数字に悩んでいる方が多くいらっしゃるように感じます。これらの悩みにおいては目標設定とそれを達成するための行動設定が上手くできていないケースが多いと思うので、この記事では普段筆者が実践している思考法について備忘録も兼ねて共有します。
正直面倒くさい内容なので本気で勉強中の方や何か実現したいことがある方向けです。

目次

まずは何かに取り組む際の基本的な考え方である「問題解決のアプローチ」について説明した後、その中でも特に重要な「目標設定のアプローチ」についてお話します。

問題解決のアプローチ
目標設定のアプローチ
 

問題解決のアプローチ

問題を解決したいときや何か目標を決めて物事に取り組むときには、以下の順番で情報を整理してから取り組み始めることが基本です。
①ゴールイメージ、目標を設定する
②目標と現状のギャップを分析・分解する
③実際のアクションに落とし込み計画を立てる

以下でこれら①~③のステップについてそれぞれ説明していきます。

①ゴールイメージ、目標を設定する

まずはじめに最も重要なことが、何かを始める際にはゴールイメージを明確にしておくということです。
ここで注意していただきたいのは、"ゴールイメージ"と"目標"は違うものということです。ゴールイメージはその名の通り最終到達点、ゴールを意味し表現としては抽象的なものになります。理想や夢と言い換えても良いです。一方で、目標はゴールに到達するための条件(水準)を意味し数字などを用いて具体的に表現します。

1つ例を挙げてみましょう。

<ゴールイメージ> 絵が上手くなる
【目標1】〇〇さん、△△さんのような絵が描ける
【目標2】SNSのフォロワー数3万人獲得
※目標1,2の数字に優先順位の意はありません。

ゴールイメージは抽象的で構いません。またその中で階層を増やしても構いません。ちょっとやり過ぎですが、例えば最上位のゴールイメージを"幸せに生きる"に設定して"絵が上手くなる"をその下の階層のゴールイメージにしてもOKです。そうすると"絵が上手くなる"の並列のゴールイメージとして"お金持ちになる"や"家庭を築く"などが増える訳です。ただしゴールイメージの階層を増やし過ぎると、分解する要素が多くなり混乱してしまうので増やし過ぎには注意しましょう。はじめは具体的な数字が出てくる一歩手前のところをゴールイメージにしておくと目標を設定しやすいかと思います。

一方で目標は具体的なものであり、その条件は自身で定義する必要があります。例のように1つのゴールイメージに対して複数の目標を立てても構いません。
例では"絵が上手くなる"というゴールイメージに対してSNSのフォロワー数を目標の1つとしていますが、このように設定するかどうかはその人の考え方によります。絵の上手さとフォロワー数は関係ないと考えるのであれば、技術寄りの別の目標を立てるべきでしょう。そしてSNSのフォロワー数はゴールイメージにはなり得ません。フォロワー数を獲得した先に"絵の仕事をもらう"や"大勢の人に評価される・有名になる"などの次の目標あるいはゴールイメージが必ずあるはずです。SNSの数字に悩んでいる方は、その数字はそもそも次の目標やゴールイメージのために必須なのかを考え直してみるのも1つの手ではないでしょうか。
また、目標を考えるときに具体的な数字に悩むことがあるかもしれませんが、ひとまずは自分のわかる範囲でえいやと決めてしまって大丈夫です。ステップ②③の内容に対しても言えることですが、最初から完璧な設定をする必要はありませんし、この手の思考法に正解はありません。ただしその分内容は定期的に見直して更新するようにしましょう。新しいことを身に付けると視野が広がるため、定期的に見直しをかけることで徐々に精度の高い内容で設定ができるようになります。また、そのときの流行や情勢によって物事の相場が変動する可能性もあるためそういった面でも定期的な見直しは必要です。

これまでゴールイメージを明確にせず目標だけを決めて物事に取り組んでいたという方は一度ゴールイメージを考えてみてください。また、目標設定の考え方については「目標設定のアプローチ」の項目でより詳しく説明します。

②目標と現状のギャップを分析・分解する

次に①で立てた目標と現状とのギャップを分析し、そのギャップを埋めるために必要なことへと分解していきます。
先ほどの例において目標と現状のギャップを分析・分解した例を以下に示します。

【目標1】
〇〇さん、△△さんのような絵が描ける
【現状とのギャップ】
〇〇さんの塗りは再現できているがデッサンができていない
△△さんの効果の表現が再現できていない
【ギャップを埋める(〇〇さん、△△さんの絵に近づく)ために必要なこと】
・デッサンの勉強をする
・△△さんの効果の表現方法を分析する
・〇〇さん、△△さんのイラストを模写する

【目標2】
SNSのフォロワー数3万人獲得
【現状とのギャップ】
現状のフォロワー数は1000人で29000人足りない
【ギャップを埋める(フォロワー数を増やす)ために必要なこと】
・イラストの投稿頻度を増やす
・二次創作の投稿をする
・タグを用いた投稿をする
・コンテストで入賞する

後から整理すれば良いので、この段階では思いつく限り必要なことは出しておくと良いでしょう。そもそもギャップを埋めるために必要なことがわからないという場合は、"何が必要か調べる"が最初の必要なことになります。

③実際のアクションに落とし込み計画を立てる

そして、②で挙げた必要なことを実際のアクションに落とし込んで計画を立てていきます。
先ほどの例の場合以下のようになります。

【目標1】
〇〇さん、△△さんのような絵が描ける
【〇〇さん、△△さんの絵に近づくために必要なこと】
・デッサンの勉強をする
⇒××デッサン書を購入し一日5ページずつ進める[〇月×日までに完了]
・△△さんの効果の表現方法を分析する
⇒△△さんのメイキング動画を見る[〇月×日までにすべて視聴]
・〇〇さん、△△さんのイラストを模写する
⇒週に1枚模写する[〇月×日までに△枚完了]

【目標2】
SNSのフォロワー数3万人獲得
⇒年内に1万人、再来年までに3万人目標
【フォロワー数を増やすために必要なこと】
・イラストの投稿頻度を増やす
⇒2週に1枚オリジナル作品を投稿する
・二次創作の投稿をする
⇒作品○○の二次創作を投稿する[〇月×日までに△枚投稿]
・タグを用いた投稿をする
⇒流行タグには常に乗るようにする
・コンテストで入賞する
⇒今年の××コンテストに応募する[〆〇月×日]

アクションはできるだけ具体的に表現しましょう。1つの必要なことに対して複数のアクションを出しても構いません。日程計画をどこまでの粒度で立てるかは、ゴールイメージを達成するまでの想定期間などによるでしょう。

これまでの説明と少し形式は違いますが、以下に別の例として私のフリーランスとしての2021年の計画表を示しておきます。

ここまで来れば次は実際にアクションを実行するフェーズとなりますが、アクションによっては実行しても効果が出なかったり、あとから必要なアクションが見つかることもあります。そのため、基本的にはステップ①⇒②⇒③のサイクルを回すことでより精度の高い計画を立ててゴールイメージに近づいていくような形になります。そして中でも①の設定が重要となるため、以下で目標設定のアプローチについて詳しく説明します。

 

目標設定のアプローチ

目標を設定する際には「やりたいこと」「やれること」「求められていること」の3つの円に対してどの領域を大きくすることを目指すのかを考えることが重要です。

A:やりたいこと
その人がやりたい領域を表します。こだわりが強かったりやりたいことが絞られている人はこの円が小さくなる一方で、こだわりが弱かったり色々なことをやりたい人はこの円が大きくなります。

B:やれること
その人の能力、スキルを表します。能力が高かったり、多くのスキルをもっている人ほどこの円が大きくなります。

C:求められていること
いわゆるニーズを表しており、この円の大きさを決めるにはターゲットとする市場の調査が必要になります。需要が多いほど大きくなる一方で、供給が多いほど小さくなります。商業性が強い事案ほど他の円との重なりが重要になります。

この3つの円の関係性から、どの重なり領域を拡大していくのかに応じて目標を設定することが基本となります。
ここで、例としてXさんの3つの円を見てみましょう。

【Xさんのプロフィール】
・副業で絵の仕事をすることがゴールイメージ
・美少女イラストの仕事がしたいがその仕事は来たことがない
・簡単な背景の仕事は来たことがある

A:やりたいこと
Xさんは美少女イラストの仕事をしたいというこだわりが強いのでこの円は小さいです。Cとの重なりがわずかにありますが仕事をもらうにはもっと大きな重なりが必要です。趣味で続ける分には問題ないと思いますが、仕事をもらうというゴールイメージのためには美少女イラスト以外の仕事にも目を向ける必要がありそうです。

B:やれること
Xさんは美少女キャラよりも背景の方が上手いという訳ではないのですが、現在の市場で求められる美少女イラストのレベルの高さから相対的にこのポジションになってしまっています。ここから仕事をもらうには、さらに美少女イラストのスキルを伸ばすか、やりたいことは妥協して背景イラストのスキルを伸ばす必要がありそうです。

C:求められていること
イラスト市場を見ると、美少女イラストの需要は多いですが現状それを上回る供給量があります。一方で背景イラストは需要に対して供給が少ないため、相対的に背景イラストの比率が大きくなっています。Xさんに背景の仕事が来たのはこのCとBとの重なりがあったからです。この例の場合、Cの大きさをXさん自身の行動で変えることは難しいので、A,Bの大きさを変えるための目標を立てることになりそうです。

A,B,Cすべてが重なる領域を大きくしていくことがベストですが、ほとんどの場合、最初は何かしら妥協して2つの円が重なる領域の拡大を考えることになると思います。Xさんの場合、現状ゴールイメージへの最短ルートは背景イラストのスキルを伸ばすことにありそうですが、副業という観点から時間がかかっても良いと考えれば美少女イラストのスキルを伸ばすことを考えて目標を立てるのもアリかと思います。この場合は"時間"と"やりたいこと"がトレードオフの関係になるので、Xさんがどちらを重視するか次第でしょう。どちらかを選ぶのではなく折衷案を考えても良いかもしれません。

このように3つの円で考えたときに、必ずしも現状一番大きな重なり領域の拡大を考えて目標を立てる必要はありません。最終的には、要する時間や費用、自分の気持ちなども天秤にかけて考えることが重要です。
上の例はかなりシンプルにしていますが、ほとんどの場合は円の中の要素がもっと多かったり円の形がいびつになったりと複雑になると思います。また、イラストを美少女イラストと背景イラストという雑な分け方をしていますが、もっと細分化して考えれば3つの円が重なる領域を見つけることもできるかもしれません。

ここでは目標設定のためのアプローチとして説明しましたが、ステップ②における"必要なこと"を考える際にもこのアプローチは使用できます。例えばSNSのフォロワーを増やすことを目標とした場合、SNS市場に対して自身のやりたいことと能力・スキルがどのような位置関係にあるかを考えることになります。

 

最後に

この記事で説明した内容は一般的な手法ですので様々な事柄に活用できます。個人のみでなくチームでの取り組みにも応用できます。より詳しく勉強したい方はビジネス書などを参照してください。
こんなことをいちいち考えるのなんて面倒だと思われる方が大半だと思います(私も昔はそうでした)が、自身の考えを整理しておくと日々の行動1つ1つに対して迷いが少なくなったり、選択を迫られたときの判断基準になります。人によってしっくりくるやり方はそれぞれだと思うので、自身で使えそうな部分のみでも活用いただければと思います。

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