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【どちらが安い?】国保と文美の保険料比較

2023年12月16日

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国民健康保険と文芸美術国民健康保険の保険料の比較

フリーランスのクリエイターで国民健康保険文芸美術国民健康保険のどちらにするか迷っている方は多いと思います。

この記事では両者の保険料を計算し比較してみたので参考にしていただければ幸いです。

国民健康保険

加入資格

日本国内に住所を有し以下のいずれにも該当しなければ加入することができます。

  • 他の医療保険(健康保険)に加入しているかた、その被扶養者
  • 生活保護を受けている方
  • 後期高齢者医療制度に加入している方
  • 短期滞在在留外国人の方

国民健康保険に加入または脱退するときは、14日以内に住所のある市町村の国民健康保険窓口に書類を提出する必要があります。

給付内容

医療費負担は以下のようになっています。

年齢負担
6歳未満2割
6歳以上~70歳未満3割
70歳以上~75歳未満2割(課税所得145万円以上は3割)

75歳以上は後期高齢者医療保険に切り替わります。

その他の給付こちらに記載があるように法定給付と任意給付があり市町村ごとに内容が異なるので、住所がある市町村で確認してください。

保険料

国民健康保険料は所得と住んでいる市町村によって保険料が変わります。

年間の保険料 = ①医療分+②後期支援分+③介護分

③は満40歳から64歳までの被保険者のみです。

ここで、①②③はそれぞれ以下の式で計算されます。

(前年の所得-控除) × 所得割率 + 均等割額

  • 所得は年間の売上から年間の経費を引いた額です。株などの利益や配当もここに加算されます。所得税青色申告決算書の㊸の金額です。
  • 控除は所得が2,400万円以下であれば43万円(基礎控除)が入ります。青色申告をしていればここから更に65万円が控除されます。社会保険料の控除はありません。
  • 所得割率と均等割額は市町村ごとに異なります。また課税限度額(賦課限度額)というものも市町村ごとに異なりこれを超えた分は減額されます。

国民健康保険には扶養の概念がないので、家族分の保険料が安くなったりはしません。

文芸美術国民健康保険

加入資格

「文芸、美術及び著作活動に従事し、組合加盟の各団体の会員である方とその家族」が加入できます。

  • 国民健康保険と同じく後期高齢者の方(75歳以上の方、または65歳以上75歳未満で広域連合より障がい認定を受けている方)は加入できません
  • 住民票上同一世帯の方については、健康保険に加入すべき方、後期高齢者医療制度に加入されている方を除き、一緒に加入となります

加入するときは、組合加盟の各団体に加入後、文芸美術国民健康保険組合への加入申し込みが必要になります。
基本的には組合加盟団体への加入申し込み時に文芸美術国民健康保険への加入手続きについて案内されるので、まずは組合加盟団体への加入手続きを行いましょう。

給付内容

医療費負担は国民健康保険と同じで以下のようになっています。

年齢負担
6歳未満2割
6歳以上~70歳未満3割
70歳以上~75歳未満2割(課税所得145万円以上は3割)

その他の給付についてはこちらで確認できます。

保険料

文芸美術国民健康保険料は所得額に関わらず保険料が均等です。

2023年12月16日の時点の保険料は以下のようになっています。

年間の保険料 = ①組合員分 + ( ②家族分 × 該当人数 ) + ( ③介護分 × 該当人数 )

  • 組合員(自身)分: 1人年額 297,600円(内訳:医療分235,200円、後期支援分62,400円)
  • 家族分: 1人当たり年額 177,600円(内訳:医療分115,200円、後期支援分62,400円)
  • 介護分(満40歳から64歳までの被保険者): 1人当たり年額 68,400円

そしてこの保険料とは別に組合加盟団体の年会費がかかることになります。
例えば日本イラストレーション協会の場合、年会費は24,000円(2023年12月16日時点)です。

保険料の比較

ここからは、以下のモデルケースを仮定して両保険料を計算し比較してみます。

  • 40歳未満の1人世帯
  • 前年の所得が4,231,000円
  • 青色確定申告をしている
  • 日本イラストレーション協会に所属している
  • 住所がある市町村の所得割率と均等割額は以下
医療分後期支援分介護分
所得割率 [%]6.582.241.69
均等割額 [円]32,10011,70014,500

国民健康保険

計算時100円未満は切り捨てます。

①医療分: ( [所得]4,231,000 - ( [基礎控除]430,000 + [青色控除]650,000) ) × [所得割率]0.0658 + [均等割額]32,100 = 239,400円

②後期支援分: ( [所得]4,231,000 - ( [基礎控除]430,000 + [青色控除]650,000) ) × [所得割率]0.0224 + [均等割額]11,700 = 82,200円

③介護分: 40歳未満のため負担なし

年間保険料 = ①239,400 + ②82,200 + ③0 = 321,600円

文芸美術国民健康保険

年間保険料 = ①[組合員分]297,600 + ②[家族分]0 + ③[介護分]0 = 297,600円

年間費用 = [年間保険料]297,600 + [年会費]24,000 = 321,600円

両者の費用が同じになるライン

上の計算からわかるように、このモデルケースの場合は両者の年間費用は同じになります。

市町村ごとに所得割率と均等割額は異なるため一概には言えませんが、青色申告をしている40歳未満の1人世帯フリーランスであれば、所得400~450万円あたりが両者の費用が同じになるラインになると思います。

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