「イラストの勉強をしたいけれど、ネットには色々な情報が溢れていてどれを教材として手に取って良いかわからない!」と迷うことはないでしょうか?
この記事ではフリーイラストレーターである筆者が、これまでの独学経験をもとにおすすめの教材をカテゴリ別に紹介します!
人体、キャラクター
イラスト解体新書
デッサンとしての人体の描き方ではなく、イラストとしての人体の描き方を解説してくれている書籍です。
キャラクターの教材を調べるとデッサンの技法書がおすすめとしてよく出てくると思いますが、実はデッサンとしての人体の描き方をイラストに落とし込む部分が一番難しく、当然ですがそれはデッサンの技法書では説明されません。
この本はまさに、その自力で考えるのが難しい部分を解説してくれています。
個人的にはデッサンの勉強はこの本を読んでからでも良いと思います。
キャラの部位ごとの描き方に加えて絵の練習に対する考え方や構図についても書かれているため、初心者が最初に手にする一冊として非常におすすめです。
また、私のようにこれまで背景メインで描いてきてキャラも描けるようになりたいという人にもおすすめできる一冊です。
ソッカの美術解剖学ノート
イラストを描くために美術解剖学を勉強したいという場合にはこれを買っておけば間違いないという一冊です。
進化論的な観点からなぜこのような骨格・筋肉の形状・付き方になっているかを解説してくれているため、内容自体はとても理解しやすい作りになっています。
あくまで美術解剖学の本でありイラストの描き方を説明している本ではないため、それを知りたい方は上記の『イラスト解体新書』のような書籍から入ると良いと思います。
値は少し張りますが、純粋に読み物として面白いので初心者から上級者まですべての方におすすめできる一冊です。
背景
アニメで見た空と雲のある風景の描き方
タイトルの通り空と雲のある風景を描きたい方におすすめの書籍です。
様々なシチュエーションの空の描き方が解説されているため、空の描き方はこの一冊でほぼ網羅できると思います。
解説自体は細かく丁寧という訳ではないので初心者の方には少し難しい内容かもしれませんが、イラスト1枚1枚のクオリティが非常に高く制作過程を見るだけでも勉強になります。
空好き、空を綺麗に描けるようになりたいという方は持っていて損はない一冊です。
新海誠美術作品集 空の記憶
今や言わずと知れた新海誠監督の背景美術作品集です。
「秒速5センチメートル」「雲の向こう、約束の場所」「ほしのこえ」の背景美術が掲載されています。
眺めるだけでも楽しいですが、簡単なメイキング記事もあり陰影の付け方や色の使い方など、ただの脇役でない魅力のある背景を描く際にとても参考になる一冊です。
構図
Vision ストーリーを伝える:色、光、構図
画像で伝えたいことを伝えるために、どういった形のものをどう配置、配色、ライティングするかを解説している書籍です。
形、色、明度など画像のもつ性質が分解されてそれぞれ解説されており、構図を考える際どういった点に注意しなければならないかを学ぶことができます。
また書籍内のイラストが素晴らしいので純粋にインスピレーションの元にもなります。
様々なところでおすすめされている良書であり、自身の絵柄に関わらず絵描きであれば持っていて損はない一冊です。
Filmmaker's Eye -映画のシーンに学ぶ構図と撮影技術:原則とその破り方-
映画撮影における構図の考え方を実例を交えて解説している書籍です。
基本的な構図の原則の説明に加えてその原則の破り方までが実際の映画作品のカットを例に解説されています。
この書籍の内容を自身のイラスト制作に落とし込む部分が難しいとは思いますが、イラストにストーリー性を持たせたい方は読んでおくべき一冊です。
上記の『Vision』と合わせて読むと理解が深まると思います。またこれを読む前と後では映画の見方が少なからず変わると思うので、映画好きな方にもおすすめの一冊です。
風景画の描き方
風景画において画面のどこにどうモチーフを置けば視線誘導できるかを解説した書籍です。
元が洋書ゆえの独特の読みにくさもあり初心者の方にはおすすめしにくいのですが、個人的には風景画における構図の考え方の本質が解説されている良書だと思います。
実際現在の私自身の構図の考え方の基礎はこの本で形成されています。
以下の記事でこの本の内容を私なりに噛み砕いて解説しているので、読んでいただければ内容のイメージが湧くかと思います。
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【初心者から上級者まで】イラストの構図の考え方
構図はイラストや写真の印象を決めるとても重要な要素であり、構図の考え方を身に付けると自分の意図を画を通して伝えやすくなります。 この記事では、イラストレーターである筆者が構図の考え方について解説します ...
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METHODS 押井守・「パトレイバー2」演出ノート
こちらはかなりマニアックなものですが、映画「パトレイバー2」のカットごとの構図(レイアウト)意図が押井守監督によって解説されている書籍です。
綿密に設計された構図の解説に加え、実写とアニメ表現の違い、ロケハン時の注意点なども言及されている部分があり勉強になります。
映画未視聴の方や初心者の方にはおすすめしにくいですが、構図の教材として優れた書籍だと思います。
ライティング
色と光マスターガイド
色と光の物理理論について解説した書籍はいくつかありますが、こちらはその決定版と言えるような書籍です。
前述した『Vision』を読んでランティングをさらに勉強したいという方におすすめです。
この手の書籍には「カラー&ライト」や「画づくりのための光の授業」がありますが、どれか一冊と言われればこの書籍をおすすめします。もちろんこれらを合わせて読めばより理解が深まると思います。
パース
背景イラストパース講座
こちらはパルミー(Palmie)のオンライン教材になります。
パースに関しては私自身これまで色々な参考書を読んできてわかりやすいと思えるものに出会えなかったのですが、この講座は3Dを交えた解説が非常にわかりやすくパース教材の中ではダントツでおすすめです。
またパースをさらに詳しく勉強したいという場合には「アシスタント背景美塾Maedax派」や「パースフリークス」が参考になります。
その他
お絵描きIRADUKAI
私の経験上、目標の絵柄を決めてその絵柄を真似るという練習方法がやはり一番上達すると思っています。
この練習方法をするときに最初に知りたい情報のひとつとして、目標としている絵柄のメイキングが挙げられると思うのですが、その情報を得られるのがこのサイトです。
多くの有名イラストレーターのメイキングを見ることができ、キャラのみでなく背景イラストのメイキング記事もあるところが魅力的です。
数年前から新規記事がなく情報は少し古いかもしれませんが、イラストのメイキングを無料で見られるサイトとしてとても優れたサイトだと思います。
また書籍であれば「CGイラストテクニック」で自身に合った絵柄の刊を購入するのも良いと思います。
アニマンラスト ~アニメ・マンガ・イラストの作法~
アニメーター/イラストレーターの田中達之さんが季刊エスで連載していた原稿を加筆・再構成してまとめた書籍です。
パースや画角表現などの技術的な内容に加えて、絵を描くことに対する姿勢、何を目指してどう表現するかについて著者の考え方を知ることができます。
特に、私のように独学で絵を学んでいる方にとってはこの本を読む前と後では絵に対する考え方が少なからず変わってくると思うので、そういった方におすすめしたい一冊です。