この記事では、フリーランスのイラストレーターである筆者の体験も交えつつフリーランスや副業でイラストの仕事をもらう手段を紹介します。
イラストの仕事の種類を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
イラストの仕事をもらう手段
ここではフリーランスや副業でイラストの仕事をもらう4つの手段を紹介します。
順番にそれぞれの特徴について見ていきましょう。
手段 | イラスト1点の単価目安 | 仕事の難度目安 |
---|---|---|
1. クラウドソーシング / マッチングサイト | 数百~2,3万円 | 低 |
2. イラスト制作会社への登録 | 数万~10万円弱 | 中~高 |
3. クライアントから直接 | 数万~数十万円 | 高 |
4. コンテストの副賞 | 数万円 | 中 |
クラウドソーシング / マッチングサイト
最も簡単にイラストの仕事をもらう手段のひとつが、クラスドソーシングやマッチングサイトと呼ばれるサービスを使ったやり方です。
サービスに登録後、登録した自身の作品を見たクライアントからオファーが来るか、描き手を募集している案件に立候補することで仕事をもらいます。
サービス上での規約に則ったやり取りとなるため、初心者の方はSNSなどでいきなり直接仕事を受ける前にこういったサービスで一度仕事を経験しておくのがおすすめです。筆者も学生時代に登録しており、イラストでお金をもらう最初の経験としては良かったと思っています。
ただし、一部には悪質なユーザーや案件も少なからずあるようなので実際に仕事を受ける際には注意してください。また、全体的に仕事の単価は安いため基本的にこれらのサービスのみで生活費を稼ぐことは難しいと思います。
ここでは代表的なサービスを紹介しておきます。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
クラウドワークス | 業界最大手で案件数が多い。 |
クラウドワークス テック | アドバイザーが付き中長期の案件がメイン。契約が取れれば安定した収益に。 |
ランサーズ | 確定申告や保険などのクリエイターサポートが充実。 |
ココナラ | 500円からスキルの出品が可能。知名度が高く利用者も多いが手数料は高め。 |
クラウディア | 業界最低水準の手数料。 |
SKIMA | イラストに特化したサービスでほとんどが個人案件。 |
イラスト制作会社への登録
次に紹介するのが、イラスト制作会社に登録するやり方です。
イラスト制作会社にイラストレーターとして登録すると、制作会社が他の企業から受けている案件を紹介してくれます。
登録時には自身の作品の登録が求められ審査のある会社もあります。ある程度技術がないと登録しても案件が紹介されないこともあるため、中級者以上の方向けです。
イラストレーターと案件を繋いでくれる点では上で紹介したクラウドソーシングやマッチングサイトなどのサービスと同じですが、業務委託契約と秘密保持契約を結んだりやり取りは制作会社を通すことになるので、企業とのやり取りに不安を感じる方におすすめです。
また、制作会社内のアートディレクターのチェックが入るため技術面のサポートもしっかりしています。
案件はアニメやゲームなどの版権(IP)ものが多いです。そのためほとんどの案件が実績公開不可で、特にフリーランスはその点も考慮する必要があります。
単価は数万円のものが多く、例えばゲーム背景であれば1点3~5万円程度のものが多いので数をこなせれば最低限の生活費は稼ぐことができると思います。
ただしゲーム案件に関して言えば、細かいリテイクが多く割が良いとは言いづらいためそれだけで長期間続けるのは個人的には難しいように思います。
イラスト制作会社への登録は、技術がある程度身に付いてきて企業案件を受けてみたい方や、企業案件をこなせる技術を身に付けたい方におすすめです。
一方で版権ものは必ずテイスト合わせがあるため、自身のイラストのテイストで仕事がしたいという方には基本的にはおすすめできません。
筆者の場合、フリーランス1年目に数社に登録して版権ゲームの案件を数点受注し、アートディレクターの修正内容が非常に勉強になりました。
フリーランス2年目以降は長期の視点から実績公開不可の案件は受注していないため、イラスト制作会社経由の仕事は現在はほとんど受けていません。
ここでは筆者の知っているイラスト制作会社をいくつか紹介しておきます。
クライアントから直接
最も高い単価が望めるのがこの手段で、メインの収入源になっているフリーランスのイラストレーターも多いと思います。
1回の依頼で複数点発注が来たりリピートで複数回発注してもらえることもあるため、まとまった稼ぎになりやすいです。また、近年は企業だけでなく個人でも高い単価で依頼する方が増えているように感じます。
クライアントから直接仕事をもらうためには、イラストレーターとして仕事の実績を増やしたり知名度を上げる必要があります。
筆者の場合、ツイッターのフォロワーが1万人を超えたあたりから個人・企業からの直接の依頼が少しずつ来るようになりました。
ただこれは2018年あたりの話で、2022年現在はイラストレーターの数も増えイラスト全体のクオリティも上がっているため、目安のフォロワー数としてはもっと必要になっているかと思います。
また、一度仕事を受けた企業の紹介で関連企業から新たな仕事が来たり、即売会などのイベントで仕事の話をもらったり、イラストレーターの友人の紹介で仕事がもらえたりすることもあります。
コンテストの副賞
最後に紹介するのは少しトリッキーな手段ですが、イラストコンテストで入賞した副賞で仕事がもらえることがあります。
筆者の場合、「第11回ペンタブレットdeアート投稿コンテスト」でワコム賞をいただき、その副賞としてワコムのWebサイトでイラストテクニックの紹介記事を書く仕事をもらいました。
これは筆者が初めてもらった企業案件でしたが、この記事をきっかけに後に別の企業からイラスト講師の仕事をもらえたので、企業案件をもらうための最初の目標としてこういったコンテストの入賞を狙うのもおすすめです。
受賞することで仕事に繋がる代表的なコンテストは上記のペンタブレットdeアート投稿コンテストや電撃大賞などがあります。
また、コンテストがまとめられたこちらのような情報サイトで探してみるのも良いでしょう。
最後に
今回イラストの仕事をもらう4つ手段を紹介しましたが、現状の実力と将来やりたいことを踏まえてまずはどの手段をとるかを考えるきっかけになれば幸いです。
基本的には、初心者の方は「クラウドソーシング/マッチングサイトへの登録」、中級者以上の方は「イラスト制作会社への登録」「SNSなどでの知名度上げ」「コンテストの応募」にまずは着手してみると良いと思います。