デジタルイラスト制作でモニターの色は大切な要素ですが、どのようなモニターを選べば良いか迷うことも多いと思います。
この記事では、イラストレーターの筆者が自身の経験も踏まえて、趣味はもちろん仕事でも使えるモニターのスペックとおすすめの製品を紹介します。
おすすめのスペック
筆者の見解としては、以下の5つの条件で選べば、趣味はもちろん仕事でも使えるモニターだと思います。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| サイズ | 21~24インチ |
| 解像度 | フルHD(1920×1080px) |
| 駆動方式 | IPSまたはADS |
| 表面処理 | 非光沢(ノングレア、アンチグレア) |
| 発色性能 | 本格的に仕事で使うなら低価格帯は避ける |
各項目について解説していきます!
サイズ、解像度
サイズは小さいと作業がしにくいので、最低でも21インチはあると良いです。
一方で、大きすぎると自身の視野に収まらなかったり、解像度が高くないと画面が粗く見えてしまいます。
そのため、個人的には大きくても24インチ程度がおすすめです。
解像度は、仕事で使う場合でもフルHD(1920×1080px)で十分です。
ただし、24インチよりも大きいサイズの場合は、画面の大きさに対して画素が粗く見えてしまうことがあるので、2.5Kや4Kも検討すると良です。
筆者は、24インチ、フルHDが一番使いやすく感じます。
駆動方式、表面処理
モニターは斜めから見ると、色や明るさがわずかに変化します。
この変化の大きさは、モニターの駆動方式によって異なります。
イラスト制作用途では、この変化が少ない、IPS方式またはADS方式がおすすめです。
モニターの表面処理には、光沢処理と非光沢処理があります。
光沢処理では、窓からの光や室内の電気が反射して映り込みやすく、目も疲れやすいです。
そのため、反射が少ない非光沢処理されたものがおすすめです。
非光沢処理は、仕様ではノングレアやアンチグレアと表記されている場合もあります。
発色性能
基本的に高価格の製品ほど、発色性能が良く(発色できる色の範囲が広く)なります。
本来は、自身の制作環境とイラストが見られる環境で、同じになるように色を調整する必要があります。
しかし、完全に同じにはできなかったり、調整には専門的な知識が必要になったりします。
そのため、プロの中でも、色にどこまでこだわるかには差があります。
筆者の見解としては、趣味用途であれば、発色性能はあまり気にしなくてよいと思います。
一方で、趣味でも色にもこだわりたかったり仕事用途の場合は、色域カバー率が100%に近いものを選ぶとよいです。
主に、Web用途のイラスト制作ではsRGBカバー率が、印刷用途のイラスト制作ではAdobe RGBカバー率が判断基準になります。
また、筆者がそうですが、仕事にしている以上最低限は気を付けておきたいという場合は、ハードウェアキャリブレーションができる製品を選ぶと良いでしょう。
ここまでの内容を踏まえて、ここからは、価格と性能別におすすめのモニターを紹介していきます!
価格重視の人向け(1~2万円)
<低価格国産モニター> EX-A241D
| 製品名 | EX-A241D |
| メーカー | アイ・オー・データ |
| サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | フルHD(1920×1080px) |
| 駆動方式 | IPS(ADS)方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | 記載なし |
| 角度調整 | 上:20° / 下:5° |
| 高さ調整 | 調整不可 |
こちらは、価格重視の人におすすめの製品です。
低価格なので発色は良い製品には劣りますが、趣味や色にこだわりがない場合は、この製品でも十分だと思います。
アイ・オー・データは国内の老舗精密機器メーカーなので、低価格ですが性能や品質には安心感があります。
モニターは、高さと角度が調整できるタイプだと作業環境がカスタマイズしやすいです。
この製品は低価格帯ゆえに高さ調整はできないので、その点は注意してください。
<低価格でも性能〇> S2425HSM
| 製品名 | S2425HSM |
| メーカー | Dell |
| サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | フルHD(1920×1080px) |
| 駆動方式 | IPS方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | sRGB 99% |
| 角度調整 | 上:21° / 下:5° / 右回り30° / 左回り30° |
| 高さ調整 | 110mm |
こちらは、海外の大手PCメーカーのDell(デル)のモニターです。
上の製品よりも価格は上がりますが、その分発色が良くなり、高さの調整もできます。
Web用途のイラスト制作であれば、価格以上の性能をもった製品だと思います。
低価格帯の製品でも、色が重要な案件でない限りイラストの仕事はこなせます。
ただし、低価格帯の製品では色や明るさのムラがあったり、色域カバー率が同じでも上位製品よりは発色が悪かったりします。
そのため、本格的に仕事で使いたい場合には、ワンランク上の製品を検討してみましょう。
価格を抑えつつ性能も重視したい人向け(3~5万円)
<安定のEIZO製品> EV2400R
| 製品名 | FlexScan EV2400R |
| メーカー | EIZO |
| サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | フルHD(1920×1080px) |
| 駆動方式 | IPS方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | sRGB相当 |
| 角度調整 | 上35° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
| 高さ調整 | 140mm |
EIZO(エイゾー)は、映像分野向けに高性能なモニターを出している国内メーカーです。
その性能と品質から、EIZO製品を使っているイラストレーターも多いです。
こちらは、EIZOの中では低価格帯の製品ですが、Web用途のイラスト制作で十分使える性能です。
ただし、こちらの製品は事務作業向けのシリーズです。
予算が許すのであれば、後で紹介するクリエイター向けの「ColorEdge」シリーズがおすすめです。
<ASUSのクリエイター向けモニター> PA249CGV
| 製品名 | ProArt Display PA249CGV |
| メーカー | ASUS |
| サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | フルHD(1920×1080px) |
| 駆動方式 | IPS方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | sRGB 100% / DCI-P3 95% |
| 角度調整 | 上23° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
| 高さ調整 | 130mm |
ASUS(エイスース)は、他メーカーに比べて、低価格でPC関連製品を出している海外メーカーです。
中でも「ProArt」はクリエイター向けモニターのシリーズです。
こちらは「ProArt」シリーズの最新モデルで、優れた発色性能をもった製品になっています。
クリエイター向けの製品は一般的に高額なので、コスパの良い製品だと思います。
仕事にしていても、色に強いこだわりがなければ、この価格帯でも十分だと思います。
ただし、長く使いたかったり、印刷用途のイラスト制作もする場合には、さらに上の価格帯を検討しても良いでしょう。
性能重視の人向け(6~10万円)
<キャリブレーション機能あり> CS2400R
| 製品名 | ColorEdge CS2400R |
| メーカー | EIZO |
| サイズ | 23.8インチ |
| 解像度 | 1920×1200px(アスペクト比16:10) |
| 駆動方式 | IPS方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | sRGB 100% |
| 角度調整 | 上35° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
| 高さ調整 | 155mm |
モニターは使い続けていくと色味が変化してしまうのですが、その色味の変化を補正することをキャリブレーションと言います。
こちらは、発色が良いだけでなく、外付けのセンサー(別売)と組み合わせることで、ハードウェアキャリブレーションが行える製品です。
筆者はこの製品をメインモニターとして使っています。
キャリブレーションを行う目安は200~300時間に1回なので、1~2か月に1回行っています。
<印刷の色も網羅するなら> CS2400S
| 製品名 | ColorEdge CS2400S |
| メーカー | EIZO |
| サイズ | 24.1インチ |
| 解像度 | 1920×1200px(アスペクト比16:10) |
| 駆動方式 | IPS方式 |
| 表面処理 | 非光沢 |
| 色域カバー率 | Adobe RGB 99% |
| 角度調整 | 上35° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
| 高さ調整 | 155mm |
上で紹介した「CS2400R」は、sRGBをカバーした、Web用途のイラスト制作向けです。
一方で、こちらの製品は、より広いAdobe RGBをカバーした製品です。
そのため、Web用途だけでなく、印刷用途のイラスト制作でも色を正確に表示できる製品です。
こちらの製品も、ハードウェアキャリブレーションが行えます。
ただし、センサーは同じく別売なのでセットで購入がおすすめです。
