この記事ではフリーランスのイラストレーターである筆者が、自身の経験も踏まえて趣味はもちろんイラストの仕事でも使えるモニターの選び方を紹介します。
デスクトップPCを選んだ場合には当然別途モニターが必要になりますが、ノートPCの場合でも別でモニターがあると作業がしやすくなるのでスペースに余裕があれば導入を検討すると良いでしょう。
おすすめスペック
筆者個人の見解としては、最低限以下の5つの項目に着目して選べばイラスト制作において趣味はもちろん仕事でも使えるモニターだと思います。
項目 | 条件 |
---|---|
サイズ | 21~24インチ |
解像度 | 1920×1080ピクセル(フルHD) |
駆動方式 | IPSまたはADS |
表面処理 | 非光沢(ノングレア、アンチグレア) |
発色性能 | 低価格帯(1万円以下)のものは避ける |
各項目について説明していきます。
サイズ、解像度
サイズに関しては、小さいと作業がしにくいため最低でも21インチはあると良いでしょう。
一方で大きすぎると自身の視野に収まらなかったり解像度が高くないと画面が粗く見えてしまうので、大きくても24インチ程度がおすすめです。
解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)のもので十分ですが、24インチよりも大きいサイズを選んだ場合には2.5Kや4Kのものも検討すると良いと思います。
駆動方式、表面処理
モニターを斜めから見た時の色・明るさの変化が少ないIPS方式またはADS方式かつ、モニター表面における光の反射が少ない非光沢処理されたものがおすすめです。
発色性能
基本的には価格が高くなるほど発色性能も高くなりますが、個人的にはよほど低価格の製品を使わない限りはそれで仕事にならないという事態にはならないと思うので、1~4万円程度のものを選んでおけば仕事でも十分使えるでしょう。
おすすめのモニター
主要メーカーから出ているおすすめのモニターを価格別に紹介します。
価格重視の人向け
製品名 | EX-A221D |
メーカー | アイ・オー・データ |
サイズ | 21.5インチ |
解像度 | 1920×1080ピクセル(フルHD) |
駆動方式 | ADS方式 |
表面処理 | 非光沢 |
角度調整 | 上:20° / 下:5° |
高さ調整 | 調整不可 |
こちらは価格重視の方におすすめの国産モニターです。
モニターは高さと角度が調整できる製品だと作業環境がカスタマイズしやすいのですが、この製品は低価格帯ゆえに高さ調整はできないのでその点は注意してください。
同メーカーの同価格帯には24インチの製品「EX-A241D」もあります。ただしこちらも高さの調整はできません。
製品名 | S2425HS |
メーカー | Dell |
サイズ | 23.8インチ |
解像度 | 1920×1080ピクセル(フルHD) |
駆動方式 | IPS方式 |
表面処理 | 非光沢 |
角度調整 | 上:21° / 下:5° / 右回り30° / 左回り30° |
高さ調整 | 130mm |
こちらは上の製品よりも価格は上がりますが、その分サイズが大きくなり高さの調整もできるDell(デル)のモニターです。
より価格を重視する場合は、これらのメーカーの他にもPHILIPS(フィリップス)から低価格帯のモニター(242E2FE/11など)が出ているので選択肢に入るかもしれません。
性能重視の人向け
製品名 | EV2460 |
メーカー | EIZO |
サイズ | 23.8インチ |
解像度 | 1920×1080ピクセル(フルHD) |
駆動方式 | IPS方式 |
表面処理 | 非光沢 |
角度調整 | 上35° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
高さ調整 | 140mm |
EIZO(エイゾー)は映像分野向けに高性能なモニターを出している国内メーカーです。
こちらの製品はEIZOの中では低価格帯のものですがイラスト制作には十分な性能なので、予算が許すのであればEIZOのモニターを選んでおくと安心です。
製品名 | CS2400R |
メーカー | EIZO |
サイズ | 23.8インチ |
解像度 | 1920×1200ピクセル |
駆動方式 | IPS方式 |
表面処理 | 非光沢 |
角度調整 | 上35° / 下5° / 右回り90° / 左回り90° |
高さ調整 | 155mm |
モニターは使い続けていくと色味が変化してしまうのですが、その色味の変化を補正することをキャリブレーションと言います。
この製品は発色性能が良いだけでなく、外付けのセンサー(別売)と組み合わせることでキャリブレーションを行うことができます。
予算に余裕があり色もきちんと管理しておきたいという場合は、こういったキャリブレーション機能付きのモニターも選択肢に入ってくるかと思います。
筆者は液タブに上記2つのEIZOモニターをサブモニターとして使っています。
これよりさらに上位のモデルもありますが、基本的にイラスト制作においてはオーバースペックかと個人的には思います。