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イラスト制作に左手デバイスは必要か?【TourBox Eliteレビュー】

2022年9月12日

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イラスト制作時の左手デバイスの必要性

イラスト制作をしている方であれば、ある程度慣れてきた頃に左手デバイスの導入を一度は考えることがあるかと思います。

この記事では、イラスト制作における左手デバイスの必要性について考えるとともに、代表的な左手デバイスのひとつであるTourBox Eliteについてレビューします。

この記事はこんな方におすすめ

  • 左手デバイスの導入を考えている方
  • ショートカット設定に悩んでいる方
  • TourBox Eliteの購入を考えている方

左手デバイスは必要?

まず筆者のイラスト制作スタイルとしては、以下のような形で左手デバイスは使用せず、キーボードにショートカットを割り当てて制作を行っています。

イラスト制作における使用ソフトはCLIP STUDIO PAINTですが、ショートカットは以下のように設定しています。
普段は赤線の丸に人差し指から小指を置き親指はフリーの状態をホームポジションとして作業しています。

イラスト制作に左手デバイスは必要かについては、当然なくとも絵は描けるのですが導入することで作業効率が上がる可能性があります。

ただし一方で、その人の絵柄や制作手法によっては導入しても作業効率が上がらないこともあると筆者は考えています。

実は過去に一度左手デバイスの導入を検討したことがあり、その際にはTABMATEというデバイスを実際に購入して使用しました。
TABMATEも代表的な左手デバイスのひとつで、左手デバイスの中では安価なのですが多機能でプロでも愛用している方が多い製品です。

しかし筆者が現在TABMATEを導入していない理由としては、TABMATEは片手で持てる小型サイズであることもひとつの売りなのですが、それ故にショートカットの割り当て方の自由度が筆者にとっては低かったからです。

TABMATEにはホイールがひとつしか付いていないのですが、例えばキャンバスのズームイン・アウトとブラシサイズの拡大・縮小をホイールに割り当てた場合には、それらの操作の度にモード切り替えボタンを押す必要があります。
この操作が筆者にとっては非効率に感じられ、キーボードの方が自身の制作スタイルには合っていると判断して当時は導入を見送りました。

このように、どのようなイラストを描くかやその人の制作スタイルによって左手デバイスの導入はよく検討する必要があると思います。

これは筆者の周りのイラストレーターの話ですが、キャラクター描きの方は左手デバイスを使用している方が多く、風景・背景描きの方はキーボードを使用している方が多い印象です。

そのため筆者自身は左手デバイスは不要というスタンスだったのですが、この度TouBox Tech inc.様よりTourBox Eliteを提供いただいたので、使用してみて左手デバイスの導入について再度考えてみました。

TourBox Eliteレビュー

今回、TourBox Eliteのボタン設定はキーボードでのショートカット設定を踏まえて以下のようにしました。

この設定で実際に使用してみて感じたTourBox Eliteの良い点と悪い点、そして最終的にこのデバイスを導入するかどうかを以下で述べていきます。

良い点

まず初めに挙げられる良い点としては、設定できる項目数が多い点です。

上述したホイール数については3つ付いており、またホイールの押し込みや二つのボタン同時押しにもショートカットを割り当てることができます。

筆者がイラスト制作時にキーボードで行っていたアクションはすべて問題なく行うことができ、設定の自由度の高さを感じるとともに、ホイール操作で"ズームイン/アウト"や"ブラシサイズの上下"、"取り消し/やり直し"ができるのは感覚的にも作業がしやすいと感じました。

また、手にフィットするデザインであることも良いと感じた点です。

筆者は手のひらの下から中指の先までが約17cmの手の大きさですがフィットするデザインに感じられました。

新しいデバイスを導入した際にはそのデバイスに慣れるための時間も懸念点のひとつかと思いますが、上記の2点からも慣らすまでに時間はそこまでかからないように個人的には感じました。

悪い点

今回使用してみて悪い点は特に感じられませんでしたが、強いて挙げるとすれば付属品と価格に関してです。

まずデバイスの接続方法が有線かBluetoothなのですが、有線接続時に必要なダブルType-Cケーブルが付属していないため有線接続したい場合には自身で用意する必要があります。

また価格に関しては、他の左手デバイスよりは高めです。価格分の機能は十分にあると思いますが、試しで気軽に購入できる価格ではないので、購入する際には自身の用途に合うかをよく調べてから購入すると良いでしょう。

結局導入する?

今回TourBox Eliteを使用してみて最終的に導入するかどうかですが、筆者はTourBox Eliteを導入してしばらくイラスト制作を行ってみようと考えています。

理由は以下の2点で、作業効率が最終的には上がるのではないかと感じたからです。

  • TourBox Eliteでキーボードで行っていたアクションはすべて問題なく行えたから
  • 現在の制作スタイルでは文字の入力がしづらいという欠点があったが、左手デバイスを導入することでキーボードを文字が入力しやすい位置に動かせるから

しばらく使ったあとの感想も今後この記事に追記できればと思います。

追記(2023.2.1)

その後しばらく使用してみましたが、やはり左手デバイスは導入せず、これまで通りキーボードで制作を続けることにしました。

理由としては、TourBox Eliteにおいて2つのボタンを押すことによるショートカットも設定していたのですが、その際最初に片方のボタンのショートカットが発動してしまうことがストレスに感じたからです。

例えば今回私は「サイド」ボタンと「上」ボタンの2つを押しに"自由変形"を割り当てたのですが、"自由変形"を行おうとするたびに「サイド」の"消しゴム"か「上」の"拡大・縮小・回転"のどちらか先に押した方が必ず発動してしまいます。
私にとってはこれがストレスで、やはりキーボードの方がキーの数が多い分設定の自由度が高いと改めて実感しました。
(2024.3.30追記: 気付いていなかったのですがボタン設定にupモードという機能があり上記の問題は解決可能です。ただ筆者の制作スタイルではキーボードの方がやはり汎用性が高いので現状キーボードのままです。)

今回私は導入を見送ることになりましたが、Photoshopのように特定の操作(アンドゥなど)のショートカットをひとつのキーに割り当てられないソフトを使っている場合は、左手デバイスを使うことでひとつのボタンに割り当てることができるため有用なのではないかと思います。

最後に

TourBox Eliteは、左手デバイスの導入を検討中の方はもちろん、筆者がそうだったように他の左手デバイスが合わなかった方にも候補のひとつとしておすすめできるデバイスだと感じました。

数ある左手デバイスの中では間違いなくトップクラスの性能です。

自身に合いそうだと感じた方はぜひ使用してみてください。

2024年1月にボタンの数を減らして低価格になったTourBox Liteが発売されました。
価格がネックだった方は選択肢に入るかと思いますのでチェックしてみてください。

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