イラスト制作 機材の選び方

イラスト仕事で使える液タブの選び方【おすすめスペック&価格別6選】

2024年3月5日

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液タブの選び方

この記事ではフリーランスのイラストレーターである筆者が、自身の経験も踏まえて趣味はもちろんイラストの仕事でも使える液晶ペンタブレットを紹介します。

イラスト仕事で使える機材の選び方

おすすめのスペック

イラスト制作におすすめの液タブのスペックは調べると色々なものが出てきますが、筆者の見解としては以下の4つの条件で選べば趣味はもちろん仕事でも十分使えると思います。

項目条件
サイズ16~24インチ
解像度・サイズが20インチ未満なら1920×1080ピクセル(フルHD)以上
・サイズが20インチ以上なら2560×1440ピクセル(2.5K)以上
描き味自身が描きやすいもの
発色性能低価格帯のものは避ける

以下各項目について説明していきます。

サイズ

16インチ未満のものでもイラスト制作自体は可能です。
ただ画面サイズが小さいと拡大・縮小の操作回数が増えたり、ツールパレットに圧迫されて作業スペースが狭くなったりするので、作業効率が落ち作業中のストレスも増えるケースが多いです。

なので、シンプルなタッチの画風であっても最低でも16インチは確保することをおすすめします。
特に筆者のような細かいタッチの画風の場合、スペースが許すのであれば22インチ以上がおすすめです。

一方で24インチよりも大きなサイズになると自身の視野に画面全体が収まらなくなってくるので、画面の大きさを持て余したり逆に作業がしづらくなることがあります。
24インチよりも大きなもの(27インチ以上)は、作業スペースも予算も十分にあってより大きな画面で描きたいという人向けかなと思います。

解像度

サイズが16インチ以上であれば通常フルHD以上なので、16インチ以上のものを選べば基本的には解像度がフルHD未満になることはないと思います。

検討すべきは2.5Kや4Kのものを選ぶかどうかですが、画面サイズの大きさに対して画素数が少ないと画面が粗くみえてしまうので、基本的にはサイズが20インチ以上のものであれば最低でも2.5Kは欲しいところです。

サイズが20インチ未満のものにおいては、作業スペースの都合で20インチ以上のものは買えないけれど細かいところまで描きたいという人は2.5Kや4Kも選択肢に入れてみましょう。

描き味

ペンタブレットの製造メーカーごとにペンが画面に触れたときの感触、反応感度、視差(ペン先と画面上ポインタの差)などが異なるのでいわゆる描き味が異なります。

一番良いのは実機に触れてみることなので、家電量販店や公式の実店舗に足を運んでみると良いでしょう。

筆者は昔からWacom製品を使っているので他のメーカーに切り替えると気になるポイントになりますが、最初から他メーカーのもので始めてそれで慣れるのであればあまり関係ないかもしれません。

発色性能

液タブに限らずPCモニターやスマホなどの画面は製品によって色の出方出せる色の範囲)が変わり、基本的には価格が高い製品ほどその性能も高くなります。

本来は自身の制作環境とイラストが見られる環境が同じになるように色を調整する必要があるのですが、完全に同じにすることはできなかったり調整には十分な知識が必要になったりするので、プロの中でもどこまでこだわるかはその人によります。

ただ、よほど低価格の製品を使わない限りはそれで仕事にならないという事態にはならないので、個人的には発色性能のためだけに高い製品を買う必要はないと思います。

あんよ
あんよ

ここからは上記の観点を元に、価格と性能別にイラストの仕事で使えるおすすめの液タブを紹介していきます!

価格重視の人向け(~5万円台)

製品名Kamvas 16(2021)
メーカーHUION
サイズ15.6インチ
解像度1920×1080ピクセル(フルHD)
対応OSWindows / Mac / Linux / Android

HUION(フイオン)は安価でも十分な性能をもった高コスパ製品を出している海外メーカーです。

この価格差は描き味や画面の発色性能に出てきますが、イラストの仕事をこなせるだけの性能は十分あります。
こちらの動画は筆者がこの液晶ペンタブレットを使ってイラストを制作した際の様子です。

HUIONの製品はAndroidにも対応しているため、PCでなくスマートフォンやタブレットで動かすことが可能です。


製品名Artist22 セカンド
メーカーXPPen
サイズ21.5インチ
解像度1920×1080ピクセル(フルHD)
対応OSWindows / Mac / Linux / Chrome

XPPen(エックスピーペン)も高コスパな製品を出してきている海外メーカーのひとつです。

細かいタッチのイラストを制作する場合は16インチだと手狭になってしまうため、価格重視で20インチ以上のものを用意したいという人向けの製品です。

ただし解像度がフルHDで大きさに対して少し粗く感じるかもしれないので、気になる場合は上位モデルの「Artist24」も候補に入ってくるでしょう。

あんよ
あんよ

低価格帯の製品でもイラストの仕事はこなせます。
ただし「細かく描き込みたい」「長く使いたい」「作業時のストレスを極力減らしたい」「描き味や画面の発色までこだわりたい」という人は上位モデルの製品も検討してみましょう。

価格を抑えつつ性能も重視したい人向け(~10万円台)

製品名Kamvas 16 (Gen 3)
メーカーHUION
サイズ15.8インチ
解像度2560×1440ピクセル(2.5K)
対応OSWindows / Mac / Linux / Android

上で紹介した「Kamvas 16(2021)」の最新上位モデル(2025年1月発売)で、解像度や描き味、発色性能などが向上しています。

16インチでこれよりも高解像度なものは「Kamvas Pro 16 Plus (4K)」や「Wacom Cintiq Pro 16」になりますが、個人的には16インチに4Kまでの解像度はいらないと思うので、特別こだわらない限り16インチで検討している場合はこれで問題ないといえる製品です。

実機レビュー記事

製品名Artist Pro 22 (Gen2)
メーカーXPPen
サイズ21.5インチ
解像度2560×1440ピクセル(2.5K)
対応OSWindows / Mac / Linux / Chrome

上で紹介した「Artist22 セカンド」の最新上位モデル(2025年1月発売)です。
解像度や描き味、発色性能などが向上しており、22インチ・2.5K解像度の製品群の中ではトップクラスの性能をもちます。

24インチは意外と場所を取るので、22インチ製品はもう少しコンパクトに収めたいという方にもおすすめです。

あんよ
あんよ

この価格帯の製品であれば、かなり細かいタッチの絵柄であったり描き心地にこだわりがない限り仕事でも問題なく使えるでしょう。

性能重視の人向け(10~30万円台)

製品名Wacom Cintiq 16 (DTK168)
メーカーWacom
サイズ16.0インチ
解像度2560×1600ピクセル(2.5K)
対応OSWindows / Mac

Wacom(ワコム)はペンタブレットの国内老舗メーカーで、安価な海外メーカーと比べると高価ですが性能は申し分なくプロにも愛用者は多いです。

こちらは2025年6月に発売された製品で「Wacom Cintiq 16 (DTK1660)」の上位モデルになります。

16インチ・2.5K解像度の中では最も高性能で、液晶サイズが16.0インチでベゼル(枠の部分)が狭く設計されているのが魅力的な製品です。

16インチに4Kの解像度が必要になることは少ないですが、4Kにしたい場合には「Wacom Cintiq Pro 16」が最も高性能な16インチ・4K解像度の製品になります。


製品名Wacom Cintiq Pro 24
メーカーWacom
サイズ23.6インチ
解像度3840×2160ピクセル(4K)
対応OSWindows / Mac

こちらの製品は現在公式では取り扱いが無いようです。Wacomにこだわるのあれば、上位モデルの「Cintiq Pro 22」か廉価モデルの「Cintiq 24」が代替機になってきます。

こちらは24インチサイズで検討しているのならこれで間違いないといえる製品です。
筆者が普段仕事で使っているのもこの製品で、プロの中でもこの製品に不満を感じる人は少ないと思います。

タッチ機能ありのモデルとなしのモデルがありますが、タッチ機能は使わない人がほとんどだと思うのでなしのモデルでも十分です。
また、この製品は単体だと角度を調整して自立させることができないのでアームスタンドとセットでの購入がおすすめです。

こちらは筆者がこの製品を使ってイラストを制作した際のメイキング動画になります。

性能を重視したいけどWacomの24インチ製品は予算的に厳しいという方は、HUIONの「Kamvas Pro 24(4K)」やXPPenの「Artist Pro 24 (Gen2) 4K」も検討してみると良いでしょう。どちらも基本仕様は高い水準にあるので、描き味など細かい部分にこだわらなければ選択肢に入ってくると思います。

あんよ
あんよ

Wacomの製品であれば多くは家電量販店で実機に触れられるので購入前に一度触ってみることをおすすめします。海外メーカーの製品も店舗数は多くないですが触われる場所はあるので一度調べてみましょう。

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